私のAGA克服日誌

近年、薄毛や抜け毛に悩む方が増えていますが、その原因として見過ごされがちなのが「栄養不足」です。私は管理栄養士として、多くの方の食生活の相談に乗る中で、髪の健康と栄養が非常に密接に関わっていることを日々実感しています。髪の毛は、皮膚や爪と同じように、食べたものから作られる細胞の集まりです。体が生命維持に必要な機能に優先的に栄養を回すため、髪の毛への栄養供給は後回しになりやすい部分です。ですから、栄養状態が良くないと、真っ先に影響が出やすいのが髪の毛と言えるでしょう。特に、極端な食事制限や偏った食生活、加工食品やファストフードへの偏りなどは、髪の成長に必要な栄養素が慢性的に不足する原因となります。髪の主成分であるタンパク質はもちろんのこと、その合成を助ける亜鉛や、頭皮の血行を良くし、毛根に栄養を届けるための鉄分、ビタミンB群、ビタミンEなど、多くの栄養素が髪の健康に関わっています。これらの栄養素が不足すると、髪の毛が細く弱くなったり、成長期が短くなってしまったり、新しい髪が生えてこなくなったりと、ヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増えることに繋がります。栄養不足による抜け毛は、特に女性に多く見られるびまん性脱毛症や分け目薄毛の一因となることがあります。ダイエットによる過度な食事制限や、鉄分不足による貧血などがその典型的な例です。抜け毛予防のためにサプリメントに頼る方もいますが、まずは食事から様々な栄養素をバランス良く摂取することが基本です。サプリメントはあくまで「補う」ものであり、食事の代わりにはなりません。理想的なのは、主食、主菜、副菜、汁物を揃え、多様な食材を使った食事を心がけることです。特に、タンパク質源（肉、魚、卵、大豆製品）、ミネラル源（海藻類、ナッツ類、レバーなど）、ビタミン源（野菜、果物）を意識的に取り入れましょう。一人暮らしで自炊が難しい方でも、コンビニでお惣菜を選ぶ際にバランスを意識したり、栄養バランスを考えた宅配サービスを利用したりと、工夫次第で改善は可能です。もしご自身の栄養バランスに不安がある場合は、専門家である管理栄養士に相談してみるのも良い方法です。