薄毛を目立たなくするために髪を明るくするというアプローチは有効ですが、単純に明るければ明るいほど良い、というわけではありません。明るい髪色を選ぶ際には、いくつか注意すべき点と、失敗しないためのポイントがあります。まず注意したいのが、髪と頭皮へのダメージです。特に、ハイトーンと呼ばれるような非常に明るい色にするためには、多くの場合ブリーチが必要になります。ブリーチは髪のメラニン色素を分解する強力な薬剤であり、髪のキューティクルを傷つけ、パサつきや切れ毛の原因となります。弱った髪は、かえってボリュームダウンして見えたり、清潔感を損なったりする可能性もあります。また、頭皮への刺激も無視できません。頭皮環境が悪化すれば、薄毛の進行を助長してしまう恐れすらあります。次に、根元の「プリン」問題です。髪は1ヶ月に約1センチ伸びるため、明るく染めた場合、数週間もすれば根元の地毛（多くの場合は黒）が目立ってきます。この色の差がはっきりしていると、だらしない印象を与えかねません。頻繁にリタッチ（根元染め）をする必要があり、時間的にも費用的にも負担が大きくなる可能性があります。では、どのように明るめの色を選べば良いのでしょうか。ポイントとしては、まずブリーチなしでできる範囲の明るさを検討することです。最近のカラー剤は進化しており、ブリーチなしでも比較的明るく、透明感のある色を出すことが可能です。美容師さんに相談し、ダメージを最小限に抑えられる明るさレベルを探りましょう。また、明るさだけでなく、「色味」も重要です。前述のアッシュ系やマット系のように、くすみ感のある色味を選ぶことで、明るすぎなくても地肌とのコントラストを和らげることができます。さらに、自分の肌の色との相性も考慮しましょう。イエローベースの肌には暖色系の明るいブラウン、ブルーベースの肌にはアッシュ系の明るい色が似合いやすいと言われています。肌色に合わない明るい色は、顔色が悪く見えたり、不自然な印象になったりすることがあります。明るめカラーは薄毛カバーに有効ですが、ダメージ、メンテナンス、肌色との相性などを総合的に考慮し、自分にとってベストな選択をすることが大切です。
