頭部には、薄毛対策に効果が期待されるとされるツボがいくつか集中しています。これらのツボを刺激することで、頭皮の血行を促進したり、リラックス効果を得たりすることが目的とされています。セルフケアとして手軽に取り入れやすい頭部のツボ押しについて、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。まず、最も有名と言えるのが「百会（ひゃくえ）」です。場所は、頭のてっぺん、左右の耳の最も高いところを結んだ線と、顔の中心線（眉間からまっすぐ上）が交差するあたりにあります。少しへこんでいるように感じられるかもしれません。百会は「百（多く）の経路が会う（交わる）」という意味を持ち、全身の気を調整する重要なツボとされています。ここを刺激することで、頭部全体の血行を促進し、自律神経のバランスを整え、リラックス効果や眼精疲労の緩和にもつながると言われています。指の腹を使って、心地よいと感じる強さでゆっくりと垂直に押したり、円を描くようにマッサージしたりするのがおすすめです。次に、「通天（つうてん）」です。これは百会の少し前方、左右両側に指幅1.5本分ほど外側に位置するツボです。頭皮の血行を促進し、抜け毛予防や頭痛、鼻詰まりの緩和にも効果が期待されると言われています。人差し指や中指の腹で、左右同時にゆっくりと押してみましょう。また、耳の上、髪の生え際あたりにある「角孫（かくそん）」も、頭部の血行促進に関わるツボとされています。口を開け閉めした時に、わずかにくぼみができる場所が目安です。このツボを刺激することで、側頭部の血流が改善され、耳鳴りや頭痛の緩和にもつながると考えられています。これらのツボを押す際は、爪を立てず、指の腹を使って「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで行うことが大切です。呼吸を止めずに、リラックスしながらゆっくりと刺激しましょう。1回あたり数秒間押し、それを数回繰り返すのが目安です。シャンプー時や、仕事の合間のリフレッシュタイムなどに取り入れてみるのも良いでしょう。ただし、効果には個人差があり、医学的根拠は限定的であることは念頭に置いてください。
