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更年期も関係?女性の薄毛と高血圧に潜むホルモンの影響

薄毛や高血圧は男性特有の悩みと思われがちですが、女性にとっても無関係ではありません。特に、閉経前後の「更年期」を迎える時期には、この二つの問題のリスクが高まることが知られています。その背景には、女性ホルモン、特にエストロゲンの減少が深く関わっていると考えられています。エストロゲンは、女性らしい体つきを保つだけでなく、髪の毛の成長期を維持し、ハリやコシを与える働きを持っています。また、血管をしなやかに保ち、血圧を安定させる作用や、悪玉コレステロールを抑える作用など、循環器系の健康維持にも重要な役割を果たしています。しかし、更年期になると卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。これにより、まず髪に対しては、成長期が短縮され、休止期に入る毛が増えるため、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりして、全体的にボリュームダウンする「びまん性脱毛」や「女性男性型脱毛症(FAGA)」といった薄毛の症状が現れやすくなります。同時に、血管に対しては、エストロゲンによる保護作用が失われるため、血管が硬くなりやすく、血圧が上昇しやすくなります。また、コレステロール値も変動しやすくなり、動脈硬化のリスクも高まります。このように、更年期におけるエストロゲンの減少は、薄毛と高血圧という二つの問題を引き起こす共通の基盤となり得るのです。もちろん、女性の薄毛や高血圧の原因は更年期だけではありません。ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足といった生活習慣の要因も大きく影響しますし、甲状腺疾患や貧血などが隠れている場合もあります。しかし、特に40代後半から50代にかけて薄毛や血圧の上昇が気になり始めた場合は、更年期によるホルモンバランスの変化が影響している可能性を考慮に入れる必要があります。対策としては、バランスの取れた食事(特に大豆製品などイソフラボンを含む食品の摂取)、適度な運動、十分な睡眠、ストレスケアといったセルフケアが基本となります。また、症状が気になる場合は、一人で悩まずに、皮膚科、婦人科、内科などの専門医に相談し、適切なアドバイスや治療を受けることが大切です。