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個人輸入で入手したプロペシアに潜む偽造薬の恐怖と健康被害
プロペシアによるAGA治療を続ける上で、費用の安さに惹かれて「個人輸入代行サイト」を利用しようと考える人がいます。ネットで検索すれば、海外製のプロペシアやジェネリック医薬品が、国内クリニックの半額以下で販売されているのを簡単に見つけることができます。クリック一つで自宅に届く手軽さと圧倒的な安さは魅力的ですが、そこには命に関わる重大なリスクが潜んでいることを知っておかなければなりません。医師の診断を経ずに、出所不明の薬を口にするという行為は、ロシアンルーレットのような危険な賭けなのです。最大のリスクは「偽造薬(偽物)」の存在です。WHO(世界保健機関)の報告によると、ネットで流通している医薬品の約一割、サイトによっては五割以上が偽造品であるとされています。パッケージは精巧にコピーされていても、中身は全くの別物というケースが後を絶ちません。有効成分であるフィナステリドが全く含まれていない単なる小麦粉の塊であれば、効果がないだけで済みますが(それも治療の機会損失ですが)、恐ろしいのは有害な不純物が混入している場合です。ペンキや殺鼠剤、覚醒剤の成分などが検出された事例もあり、これらを服用すれば深刻な健康被害を引き起こし、最悪の場合は死に至る可能性すらあります。不衛生な環境で製造された薬には、細菌や重金属が混入しているリスクもあります。さらに、個人輸入した薬で副作用や健康被害が出た場合、国の救済制度である「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。通常、国内で正規に処方された薬で重篤な副作用が出た場合は、国から医療費や年金などの給付を受けることができますが、個人輸入の場合はすべて「自己責任」です。誰も助けてはくれません。安く済ませようとして偽物を掴まされ、健康を害し、高い治療費を払うことになれば、まさに「安物買いの銭失い」どころか「健康失い」になってしまいます。また、薬の品質管理の問題もあります。海外からの輸送中に高温多湿な環境にさらされたり、長期間放置されたりして、薬が変質している可能性があります。パッケージに記載された使用期限も信用できません。効果が保証されない劣化した薬を飲み続けても、AGAの進行は止まらず、時間だけが無駄に過ぎていきます。AGA治療は、自分の体をメンテナンスするための医療行為です。その根幹となる薬が偽物であっては、全てが台無しです。現在では、国内のクリニックでもジェネリック医薬品を採用したり、オンライン診療でコストを削減したりすることで、以前よりかなりリーズナブルに正規のプロペシアを処方してもらえるようになっています。安心と安全をお金で買うと考えれば、その差額は決して高いものではありません。目先の数百円、数千円をケチって、一生取り返しのつかない後悔をしないように、必ず医療機関という正規のルートを選んでください。あなたの体は、替えのきかない大切な資本なのですから。