プロペシアは男性の薄毛を救う救世主ですが、その取り扱いには細心の注意が必要です。特に、家族と同居している場合、絶対に守らなければならない「鉄の掟」があります。それは、プロペシア(フィナステリド)を「女性や子供に触れさせてはいけない」ということです。飲むのはもちろんのこと、錠剤に触れることさえも禁忌とされています。なぜ、これほどまでに厳重な管理が求められるのでしょうか。それは、この薬が持つホルモンへの作用が、特定の対象に対して深刻な影響を与える危険性があるからです。プロペシアの成分であるフィナステリドは、男性ホルモン(テストステロン)がDHTに変換されるのを防ぐ作用があります。このDHTというホルモンは、成人男性にとっては薄毛の原因となる厄介者ですが、胎児期においては、男の子の外性器(ペニスや陰嚢)を発達させるために不可欠な役割を担っています。もし妊娠中の女性がプロペシアを服用したり、触れたりして体内に成分が取り込まれてしまうと、お腹の中の男の赤ちゃんのDHTが作られなくなり、生殖器が正常に形成されない奇形が生じるリスクがあるのです。「触るだけで?」と驚くかもしれませんが、フィナステリドは皮膚からも吸収される性質を持っています(経皮吸収)。通常、プロペシアの錠剤はコーティングされているため、そのまま触れる分には成分が漏れ出すことはありません。しかし、錠剤が割れていたり、砕いて粉末状にしていたりする場合、その粉に触れるだけで成分が皮膚から侵入する可能性があります。そのため、錠剤をピルカッターで分割して服用することは、家庭内でのリスクを飛躍的に高めるため、製薬会社も医師も推奨していません。万が一、粉末が飛散して妊婦さんや子供が吸い込んだり触れたりしたら、取り返しのつかない事態になりかねないからです。このリスクは妊婦だけでなく、妊娠する可能性のある女性や授乳中の女性、そして未成年の子供全般にも及びます。子供の発育に対する安全性は確立されておらず、ホルモンバランスに影響を与える恐れがあるため、絶対に服用させてはいけません。したがって、プロペシアを保管する際は、子供の手の届かない高い場所や、鍵のかかる引き出しなど、厳重に管理する必要があります。食卓の上に置きっぱなしにしたり、他のサプリメントと一緒にピルケースに入れたりするのは非常に危険です。また、プロペシアを服用している男性にはもう一つ重要な禁止事項があります。それは「献血」です。服用中の男性の血液にはフィナステリドの成分が含まれているため、その血液が妊婦や女性に輸血されると、間接的に成分を投与してしまうことになります。日本赤十字社では、プロペシア服用中および服用中止後一ヶ月間は献血をできないと定めています。一ヶ月経てば成分は体から排出されるため、献血が可能になります。このルールを知らずに献血に行ってしまうと、他人の人生を左右する事故につながる可能性があるため、必ず覚えておきましょう。
女性や子供が触れるのも厳禁なプロペシアの取り扱い絶対ルール